以前「健康法も偏らないように」という同名の記事を書いたのですが、ちょっと思うことがあったのと、大分前の記事だったので、改めて今思っていることも含めて書き直します。
先日、テレビで「えごま油が体に良い」ということが紹介されたため、多くの店でえごま油が売りきれているというニュース記事を読みました。今回だけではなくて、過去にもありましたね。バナナ、納豆、ピーナッツ、ココア…など。
こういうニュースを目にするたびに、複雑な思いになります。
もちろん、それらの食品が体に良いことは間違いないと思います。でも、必要な栄養素はそれだけではないですよね?
人の体は、例えば体温が0.5℃上がっただけで体調を崩してしまったりするなど、とても微妙なバランスの上に成り立っています。そういう体の健康を維持するために、一つの食品を食べればよいというようなことは、あり得ないと思うのです。
また同様に「〇〇を食べてはいけない」「〇〇をするだけでいい」というような方法も、効果がある人もいるのでしょうが、長い目で見た時に健康を維持できるのか、私は少し疑問があります。
世の中にはたくさんの健康法があり、それを「良い」という人もいれば「ダメ」という人もいるため、時々お客さんや生徒さんに「結局、何が正しいのか?」「どれが良いのか分からない」と聞かれます。
私自身、そう聞かれた時には「自分に合っていて、極端過ぎなければ良いと思います。」と答えます。
生活環境や持病の有無、体質などによって、どんなことが有効なのかダメなのかが大きく異なります。ですから、ある人にとっては良い健康法かもしれないけれど、それが全ての人にとって当てはまるかどうかは分からない。
なので、まず「自分に合っているかどうか」が大切で、そして「極端過ぎないこと」
今の世の中、どうしても極端な意見が目立ちますし、そういう考えが人気を集めやすいのも事実です。
でも、極端な方向に進み過ぎると必ず反動がやってきて、それに対応するのが難しくなります。
東洋医学でも、体の健康を保つためには「中庸=バランスが取れている状態」が大切と言われています。
「偏らないように、バランスよく」ということは、私がこの仕事をやっている上で一番心がけていることです。これは、健康法だけでなくて、考え方にも言えますね。
但し、「偏らないように」とばかり思っていると、「偏らない」という考えに偏ってしまう…気をつけなければなりませんね。
ちなみに、健康法のことですが、私たちが子どもの頃から親に何度も言われてきたこと…「好き嫌いしないで食べる」「帰ったら手を洗う」「外に出て遊ぶ」「早く寝る」…こういう当たり前でシンプルなことが、一番の健康法なのかなと思います。
実はそれほど難しいことではなく、当たり前のことをやればよい。しかし、それが一番難しいんですよね…。