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中村屋の記録・その7「どこでやるのか?」

「どこで?」というのは、お店の場所のこと。

 

テナントを借りるという方法もあるし、自宅で行うということもできる。特定の場所ではなく、お客様のお宅に伺う「出張施術」というやり方もあります。

 

足もみは基本的に特別な機材などは必要なく、お客様と施術者が向かい合えるスペースがあればどこでもできます。しかし、だからこそ「どこでやるのか」とても悩んでしまいます。

 

それぞれにいろんなメリット、デメリットがあると思うのですが、開業当時私が思ったのは次の通りです。

自宅開業

・初期投資を抑えられる

   新たに場所を作ったりしなくて良いので、経済的。

・比較的時間を自由に使うことができる

   基本は自分の家なので、お客様がいないときはテレビを見たり、

   本を読んだり、家事をしたり、自由にできる。

・不特定多数の人に、自宅を知られる

   ホームページなどで住所を公開すると、不特定多数の人に

   自宅の場所を知られることになるし、見知らぬ人も自宅に

   招くことになる。

・公私の区別がつきにくくなる

   時間が自由になるので、逆に仕事とプライベートの時間の区別が

   つかず、メリハリがつきにくくなるかも。

テナントを借りる

・自分のこだわりでお店を作れる

   立地、内装など、トコトンこだわって自分の理想を実現できる。

・仕事に専念できる

   自宅とは別なので、店にいる時には仕事という意識が働いて、

   公私の区別をキッチリできる。

・費用がかかる

   改装、賃料など、費用が多くかかる可能性が…。

・時間の制約

   基本的にお客様がいなくても営業時間はお店にいる必要が

   あるので、空いた時間に別なことができなくなる可能性も。

出張施術

・初期投資を抑えられる

   基本、出張の道具と宣伝費だけ?

・時間のロスがあるかもしれない

   移動時間が必要になるので、一日の中で施術できる人数に

   限りがでるかも。行ってみたらお留守だったということも  

   考えられる。

・交通費がかかる

   ガソリン代がたくさんかかりそう。

・信頼されるかな?

   ちゃんとした店を構えている人に比べて、

   お客様の不安度が高いかもしれない…。

結局、自宅で開業しました

今考えると、出張施術の「信頼されるかどうか」なんてあまり気にしなくても良かったのかもしれませんが、当時はとても不安でした。

 

いろいろ考えましたが、結局費用が抑えられることと、「お店」という形があった方が良いと思い、私は自宅開業を選択しました。(早い話が、お金がなかったのです…^^;)

 

幸いなことに自宅には、リビングの隣に普段使用していない和室があったので、そこを施術スペースとしました。

 

足もみ施術用には、無印良品でオットマン付きのチェア(10,000円也)を買い、整体用には布団(確か4,000円くらい?)を用意し、看板はホーマックで5,000円くらいのイーゼルボードのスタンドとPC大の木の板(2~3,000円だったと思う)を買って乗せ、そこにパソコンで透明ポップシート(1,000円以下)に店の名前を印刷して貼り付けました。(とにかく、お金がなかったのです…~~;)

 

まずはこれで開業。

 

我が家では夫婦ともにアレルギーがあるもので、家を建てる時に内装にはワックスなどを使わず、木は無垢材、壁にはしっくいを使するなど、とにかく「体に良いこと」だけをこだわりました。

その結果、我が家はこの仕事にはとても適していたということが、開業してから分かりました。(足もみで開業することを見越して建てたのですか?と、今でもよく聞かれますが、建てた当時はそういう意識はありませんでした)

立地が心配でしたが、現在はそれも解消

心配だったのが立地。

 

旭川から車でも30分かかり、更に表通りに面していない住宅地。分かりづらいです。

開業してから3~5年目は、少しお客様の数も減少気味だったので、「やっぱりこの場所ではダメなのでは?」という不安が常に頭の中にありました。

 

そのため、旭川の街中や郊外でテナントの空きがないか、真剣に探したこともあります。で、条件が良ければ移転しようと思っていました。

 

その後お客様も増え、わざわざ旭川からいらっしゃる方も多くなったため、この不安はなくなりました。

自宅開業で、現在のところは不自由なし。

自宅開業したことで、現在のところ大きな問題はありません。

 

講座の依頼も増えたので、空いた時間に資料作りや勉強をする必要も出てきましたし、そういうことがない時も、洗濯をしたりしないと時間が足りなくなることもあり、結果的に自宅での開業で良かったと思っています。

 

とても疲れた時には、布団を敷いてちょっと昼寝…なんてこともできますし。

 

不特定多数の人に自宅を知られるという点も不安はありましたが、今のところトラブルもなし。ご予約の時に、不審なお客様はお断りすることもできます。

 

ただ、もし私たち夫婦に子どもがいたとしたら、自宅での営業はちょっと考えたかもしれません。

 

公私の区別がつきにくくなるというのは、自営業である以上、ある程度仕方ないかなと思います。

ただ予約制にしていることと、あらかじめプライベートな用事の時間を確保しておくことで、区別はしているつもりです。

自分の生活スタイルや身の丈を考えて

お店をやるうえで、立地や形態はとても重要ですが、自分の身の丈を超えてしまうと大変ではないかと思います。

 

自分がどのように仕事をやっていきたいのかということと、貯えや生活のリズム、環境などが上手くマッチするとイイですね。

 

中村屋は、今後基本的には今のスタイルは変えないつもりでいますが、お客様がとても増えたりした場合は、自宅を離れて別な場所にお店を構えることも検討するかもしれません。

 

どうなるか分かりませんけれども…。