2019年観劇記録~レ・ミゼラブル札幌公演(2019年9月)

もう本当に今更…という感じなのですが、昨年2019年の観劇記録をまとめていなかったので、ちょっと時間のある今のうちにアップしてまいります。

まず最初は、2019年9月のミュージカル「レ・ミゼラブル」札幌公演。本当に楽しみにしていた公演で、私は千秋楽に観劇しました。

ミュージカル「レ・ミゼラブル」とは?

ミュージカルと言えばコレ!と言っても良いのではないでしょうか?

「オペラ座の怪人」「キャッツ」「ミス・サイゴン」とともに「世界4大ミュージカル」と呼ぶ人もいるようです。(ミス・サイゴンを抜いて、「世界3大ミュージカル」とも言われるそうですが、いずれにしても世界的なミュージカル作品ということですね)

 

パンを盗んで囚人となったジャン・バルジャンが、仮出獄中に逃亡。それを追いかけるジャベール警部。そこに自分の娘のために身を売るファンティーヌその娘のコゼット、あくどいテナルディエ夫妻とその娘のエポニーヌ、革命を企てるアンジョルラスやマリウスなどの学生たちのストーリーが絡み、フランス六月暴動の大きな渦に飲み込まれていきます。

 

帝国劇場 ミュージカル「レ・ミゼラブル」作品紹介のページ

https://www.tohostage.com/lesmiserables/index.html

 

今まで東京の帝国劇場を中心に、大阪や名古屋、福岡などでは繰り返し上演されていましたが、札幌では29年ぶりに札幌文化芸術劇場hitaruで上演されました。

 

見どころなどは、こちらの記事にも書きましたのでご覧ください。

来年の上演が楽しみなミュージカル!「レ・ミゼラブル」&「リトルマーメイド」札幌公演(2018年11月)

ミュージカル「レ・ミゼラブル 」の予習をしよう!(2019年6月)

 

札幌公演の感想

今回の札幌公演のプログラム。

 

まず会場のことですが、札幌文化芸術劇場hitaruがとても素晴らしい劇場でした。4階席の最後列でしたが、音響も良くて見やすい。各座席の広さも十分で前列との間隔が広いので、例えば途中でお客さんが入ってきても体を横にずらしたりする必要がないのが良いですね。

また、今回は生オケの演奏だったので、幕間のオケピ見学も出来たのが嬉しい。やっぱりミュージカルは生オケがいいですよね。迫力が全然違います。

 

キャストの皆さんも素晴らしかった。

ジャン・バルジャンはこの日、福井晶一さん。

始まってすぐの「独白」の場面から熱い感情が4階席まで伝わってきて、初めてこの場面で涙腺が緩みました。

 

コゼットの生田絵梨花さん。可憐で清楚な雰囲気の中にも凛とした強い気持ちが感じられました。レミゼに入られたばかりの時に比べて、格段に実力アップされているなと思いました。

 

特に印象深かったのはこのお二人ですが、それ以外の皆さんも好演。

 

この日は全国公演の最終日でしたのでカーテンコールで一人ひと言挨拶があったのですが、それぞれがこの作品について熱い想いを語っていました。

マダム・テナルディエ森公美子さんの「私がコゼットより先にマリウスにぶつかりそうになって、話を変えてしまうところだった」というお話は会場爆笑でしたが、こういうのは劇団四季の舞台とは違った楽しみ方ができて良いですね。

 

このミュージカルの奥深さ。

このミュージカルの一番の見どころ・聴きどころは、学生の蜂起の場面だと思うのです。以前も私は、この場面に共感し感動していました。今回も感動は変わらなかったのですが、同時に学生たちに危うさと弱さを感じてしまいました。

 

特に学生たちのリーダーである、アンジョルラス。

アンジョルラスは、ラマルク将軍が死んだときに学生や一般市民に蜂起を呼びかけます。また、第二幕でエポニーヌが死んだときに「バリケードで最初の犠牲者」と言います。これが人の死を利用して焚きつけているように見え、ちょっと嫌悪感を覚えました。

 

今でも、カリスマ的な人気を集める人には、物事を上手く利用する傾向があると思います。そして、そういう人に焚きつけられて異常に盛り上がる人たちが一定数いるのも、現代も一緒。

SNSなどで、やたらと声がでかい(発言力が強い)人の意見ばかり採り上げられ、それに賛同する人が過激に盛り上がるのを見て嫌な気分になることがあるので、そういうことが、今回学生たちに危うさ・弱さを感じた原因なのかもしれません。

 

逆に共感してしまったのが、テナルディエ夫妻。

やっていることは許されないことなのですが、生きるためには仕方ないというか、生きることへの強い執念みたいなものを感じました。

テナルディエに共感してしまうのはどうなんだろうと思うのですが(苦笑)、その時の自分の視点の在り方で登場人物誰にでも共感できる、このミュージカルの奥深さを感じました。

また札幌公演やってください!

ミュージカル「レ・ミゼラブル」は、2021年にも公演が予定されています。ぜひまた札幌公演やってほしいです!

今年(2020年)は「ミス・サイゴン」の公演がある予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、公演中止となってしまい残念です。劇団四季の劇場も閉館となってしまいました。

 

全国的に今演劇は厳しい状況にあり、元通りになるにはまだ時間がかかるかもしれませんが、また素敵な舞台が観られるようになるのを祈っています。