2019年の観劇記録、2つ目は劇団四季ミュージカル「エビータ」の旭川公演です。
今回の公演のパンフレット。
この「エビータ」、学生時代にとてもハマったミュージカルです。
劇場に通うようになり、ミュージカルや演劇の本を読むようになった時にこの作品を知りました。でも当時は公演がなく、海外公演のCDを取り寄せて毎日聞いていました。
その後、1996年に劇団四季が再演。
思い切って東京の日生劇場に観に行き、その後翌年の全国公演で旭川でも観劇、そしてさらに翌年の札幌JRシアターでの公演も観に行きました。
思い出深い、当時の公演のパンフレット。
劇団四季が発売したCDも聞きまくって、幕開けの「非常に辛い勤めではありますが…」から幕切れまで諳んじてしまうくらい聞きました(苦笑)
実在したアルゼンチンのファーストレディ、エバ・ペロンの生涯をたどるミュージカル。「エビータ」というのは、彼女の愛称です。
ストーリーや作品紹介はこちらを。
狂言回しの「チェ」という役者を傍らに置き、その視点を通して時には称賛し、時には非難し、単純に生涯をたどるだけではないのが上手いと思いました。
客観的な視点が与えられることで、現代の自分たちとつながる部分が見つかったり、善悪だけではない複雑な感情が生まれたりと、見るたびに新しい発見があります。
作曲は、「キャッツ」や「オペラ座の怪人」などのアンドリュー・ロイド=ウェバー。
「アルゼンチンよ泣かないで」という曲が有名ですが、このメロディーが変奏されて様々な場面で歌われます。私は、幕開けでチェによって歌われる「まるでサーカス」が好きですねぇ~。
その他にも「空をゆく」とか「スーツケースを抱いて」なども耳から離れない印象的な曲です。
旭川公演の感想
この日のキャストは、
エビータ:鳥原みゆきさん、チェ:飯田洋輔さん
鳥原さんのエビータは、芯の強さの中にも上品さと柔らかさが感じられました。ファーストレディーにのし上がっていくのが力強い分、病で倒れてからの弱々しさが気の毒で。
チェの飯田さん。今まで見たチェ役(基本的に芝さんでしたが)には感じられなかった温かさを感じたのが意外でした。
政治に対する不満がたまり、それを利用して焚きつけるような手法はどこでも一緒なんですね。今の日本の状況と重なる場面もありました。
演出については「これが決定版」ということのようですが、舞台装置以外は96年版と変わらないような…。衣装も、ほとんどそのままのようですし、アンサンブルの動き方もそんなに変わらないし、ペロンのチャリティコンサートの影絵の使い方も一緒。椅子取りゲームもアリ。
装置も変更されたことで何か大きな効果が上がった感じではないように思いました。96年版の方がシンプルでよかったようにも思いますが…。
私も20年ぶりですし、前回の印象が強かっただけかもしれません。
無理なのは承知だけど、やっぱり生オケがいい
前の月に札幌でレ・ミゼラブルを観たので、やはりテープ演奏は物足りなく感じてしまいます。
劇団四季は、一部の東京公演を除いて基本的にテープ演奏。チケット代を抑えるためには仕方ないのかもしれません。
でもやはり、生演奏による迫力とその演奏が作り出す音響・雰囲気は、代えがたいものがあります。
旅公演は無理だとしても、専用劇場での公演は可能な限り生オケにしてほしいと、私は思います。
せめてテープ演奏でも、もうちょっと音量を上げてほしいかな…。